「電気代が高い気がする」で止まっている人と、「去年の2月より使用量が80kWh増えていて、単価も3円上がった」と言える人では、次にやることの精度がまったく違います。後者になるために必要なのは、12か月分を1枚に並べた表 だけです。
この記事では、月に5分で付けられる電気代の家計簿の 表のテンプレート と、記入の手順、見方を説明します。紙でも、Excelでも、スマホのメモでも作れます。
なぜ金額だけでは、だめなのですか?
電気代の金額は、量 × 単価 です。金額だけを記録しても、増えた原因が「量」なのか「単価」なのか分かりません。
- 量が増えた → 使い方(家族、在宅、暖房、古い家電)を見直す
- 単価が上がった → 燃料費調整・再エネ賦課金・プランを見直す
- 両方 → 両方
原因によって打ち手が違うので、量と単価を別々に記録します。明細には両方書いてあるので、写すだけです。
表には、何を書けばよいですか?
最低限の列は6つです。明細の欄をそのまま写します。
| 列 | 明細のどこを見るか | 例(仮の数字) |
|---|---|---|
| 年月 | 「○月分」 | 2026年10月分 |
| 使用量(kWh) | 「ご使用量」 | 412 |
| 請求金額(円) | 「請求予定金額」「ご請求額」 | 15,979 |
| 燃料費調整単価(円/kWh) | 「燃料費調整単価」。マイナスの月もある | +2.50 |
| 再エネ賦課金単価(円/kWh) | 「再エネ発電賦課金単価」 | 4.18 |
| 1kWhあたりの実質単価(円) | 請求金額 ÷ 使用量 を自分で計算 | 38.8 |
6列目の「実質単価」が、この表の要です。基本料金・段階料金・調整額・賦課金をぜんぶ含めた「1kWhいくら払ったか」で、プランを比べるときの自分の基準値 になります。比較サイトの「○円/kWh」と比べるときは、この数字と比べてください。
余裕があれば、次の列を足します。
| 追加の列 | 理由 |
|---|---|
| 前年同月の使用量(kWh) | 明細に書いてあることが多い。去年との差がすぐ分かる |
| 契約の種類・アンペア | プランを変えた月が分かるように |
| メモ | 「在宅勤務開始」「エアコン買い替え」「灯油→電気に」など、量が変わった理由 |
| 灯油・ガスの金額 | 光熱費全体で見るため。暖房を電気に替えた家は必須 |
実際の表は、どんな形ですか?
Excelの画面と同じ形で示します。数字は説明のための仮のものです。
| A | B | C | D | E | F | G | H | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 年月 | 使用量kWh | 請求額 | 燃調単価 | 賦課金単価 | 実質単価 | 前年kWh | メモ |
| 2 | 2026年1月 | 586 | 22,410 | -1.20 | 3.98 | 38.2 | 520 | 寒波 |
| 3 | 2026年2月 | 612 | 23,560 | -0.80 | 3.98 | 38.5 | 548 | |
| 4 | 2026年3月 | 455 | 17,100 | -0.30 | 3.98 | 37.6 | 430 | |
| 5 | 2026年4月 | 340 | 12,580 | 0.40 | 3.98 | 37.0 | 335 | |
| 6 | 2026年5月 | 298 | 11,320 | 1.10 | 4.18 | 38.0 | 300 | 賦課金4.18に |
| 7 | 2026年6月 | 310 | 11,900 | 1.60 | 4.18 | 38.4 | 305 | |
| 8 | 2026年7月 | 402 | 15,650 | 2.10 | 4.18 | 38.9 | 390 | |
| 9 | 2026年8月 | 468 | 16,400 | -1.40 | 4.18 | 35.0 | 445 | 国の補助月 |
| 10 | 2026年9月 | 420 | 16,480 | 2.30 | 4.18 | 39.2 | 400 | |
| 11 | 2026年10月 | 412 | 15,979 | 2.50 | 4.18 | 38.8 | 395 |
F列に =C2/B2 と入れて下にコピーすれば、実質単価は自動で出ます。Excelが無くても、紙の表に電卓で書けば十分です。
明細は、電力会社のWeb明細(マイページ)に過去13〜24か月分が残っていることが多いです。今から始める人は、過去分をさかのぼって一気に埋めると、初月から12か月の比較ができます。
12か月並んだら、どこを見ますか?
次の4つの見方で、「何が高いのか」が分かれます。
1. 使用量の山を見る
1〜2月と7〜8月に山があるのは普通です。山の高さが前年より高ければ、その季節の使い方(暖房・冷房)が変わっています。山が無い月に増えていれば、常時使う機器(冷蔵庫、給湯、待機電力)が原因の候補です。
2. 実質単価の動きを見る
使用量が同じ月どうしで実質単価が上がっていれば、原因は単価(燃料費調整・賦課金・プラン)です。この列が年々上がっている家は、プランの比較をする価値があります。
3. 前年同月との差を見る
「量が増えた月」に、メモの出来事(在宅、家族、機器)が対応しているかを確認します。対応が無いのに増えていれば、家電の劣化や故障前の過負荷を疑います。
4. 3段目の量を見る(3段階料金の家)
300kWh(会社による)を超えた月の超過分が、一番高い単価の電気です。超過分が多い月ほど、減らす価値が高い月です。
この4つを見てから、プランの切り替え や エアコンの設定 の記事を読むと、自分の家に関係のある対策だけを選べます。
事業所(店・事務所・工場)の表は、どう変えますか?
高圧の事業所は、列を3つ足します。
| 追加の列 | 明細のどこを見るか | 見方 |
|---|---|---|
| 契約電力(kW) | 「契約電力」 | 基本料金の土台。過去12か月の最大需要電力で決まる |
| 最大需要電力(kW) | 「最大需要電力」「当月デマンド」 | この月の30分ごとの最大値。契約電力を更新した月が分かる |
| 力率(%) | 「力率」 | 85%を基準に基本料金が増減。下がっていればコンデンサの点検 |
事業所は「量」より「最大需要電力」の列を毎月見ます。契約電力を更新してしまった月が分かれば、その月に何が動いていたかを現場で確認できます。くわしくは 小さな事業所の電気代を下げる順番 に書きました。
まとめ:まず何をするか
- 金額だけでなく、使用量(kWh)・燃料費調整単価・再エネ賦課金単価 を写す。月5分
- 実質単価(請求額 ÷ 使用量) を自分で計算する。プラン比較の基準値になる
- 過去分はWeb明細からさかのぼって、初月から12か月分をそろえる
- 見方は、使用量の山、実質単価の動き、前年同月との差、3段目の量
- 事業所は、契約電力・最大需要電力・力率の列を足す
表ができたら、明細の読み方 に戻って、4つの部品のどれが増えているかを確認してください。そこまでで、やることの7割は決まります。
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- 再エネ賦課金 2025年度 3.98円/kWh、2026年度 4.18円/kWh(2026年5月分から適用):東京電力エナジーパートナー「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で確認
- 2026年8月分・10月分の電気料金支援(低圧 3.50円/kWh差引):東京電力エナジーパートナー 2026年7月30日発表。適用の有無は契約先の電力会社で確認してください
- 高圧の契約電力・最大需要電力・力率:J-Net21(中小企業基盤整備機構)省エネQ&A
- 表の使用量・金額・燃料費調整単価は、説明のための仮の数字です。実際の値は自分の明細を写してください
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