1. ホーム
  2. 記事一覧
  3. 省エネ・設備
  4. 冬の電気代が跳ね上がる理由と対策|地方の戸建てで先にやること

冬の電気代が跳ね上がる理由と対策|地方の戸建てで先にやること

「12月までは1万円ちょっとだったのに、2月の請求が2万円を超えた」。岡山の県北や中国山地側の戸建てでは、毎年この話を聞きます。平野部でも、古い家ほど冬の山は高くなります。

冬の電気代が高い理由ははっきりしていて、暖房・給湯・外気温 の3つです。この記事では、なぜ跳ね上がるのかを先に整理し、そのうえで お金のかからない順 に対策を並べます。

なぜ冬は、こんなに高くなるのですか?

理由は3つが重なるからです。

  1. 暖房に電気を使う時間が長い。 エアコン、こたつ、ホットカーペット、電気ストーブ、床暖房。夏の冷房は日中〜夜ですが、冬の暖房は朝晩の両方、在宅なら一日中です
  2. 給湯の負担が増える。 水道水の温度が夏より10℃以上低いので、同じお湯を作るのに多くのエネルギーが要ります。エコキュートや電気温水器の家は、ここが電気代に直接響きます
  3. 外気温が低いほど、エアコンの効率が落ちる。 暖房は外の空気から熱を集める仕組みなので、外が寒いほど同じ暖かさを作るのに電気を多く使います。氷点下の朝は、霜取り運転で暖房が止まる時間もあります

戸建てと集合住宅の差も大きいです。環境省の統計では、戸建住宅に住む世帯の年間CO2排出量は約3.09トンで、集合住宅(約1.74トン)の約1.8倍、そのうち電気由来は戸建て2.10トン、集合1.17トンです(令和5年度)。戸建ては外に面した壁・窓・床・天井が多く、熱が逃げやすいことが背景にあります。地方は戸建ての割合が高く、さらに灯油暖房から電気に切り替えた家が増えたことで、冬の電気代の山が高くなっています。

明細のどこを見れば、原因が分かりますか?

1月か2月の明細と、10月か11月の明細を並べてください。

見るところ分かること
使用量(kWh)の差秋より何kWh増えたか。これが「冬に増えた量」
3段階料金の3段目の量300kWh(会社による)を超えた分は一番高い単価。冬は3段目の量が一気に増える
燃料費調整単価冬に単価が上がっていれば、量の増加に単価上昇が掛け算で効いている
時間帯別プランなら、昼と夜の量深夜が安いプランで、昼間に電気暖房を使っていると、高い時間帯の量が増えている

量が増えた分のうち、暖房と給湯でどちらが大きいか を切り分けるには、スマートメーターの30分データが役立ちます。エコキュートが沸き上げる深夜〜早朝に山があれば給湯、朝と夜に山があれば暖房です。

お金をかけずに、まず何をしますか?

費用ゼロでできる順です。

  1. 1. 窓を見る

    冬に家から逃げる熱の多くは窓からです。厚手のカーテンを床まで届く長さにする、夜は雨戸・シャッターを閉める、使っていない部屋の戸を閉める。これだけで室温の下がり方が変わります。

    2. 暖房の設定を室温20℃の目安で考える

    環境省が示す冬の室温の目安は20℃です(設定温度ではなく室温)。設定温度を1℃下げると暖房の消費電力量は約10%減るとされています。温度計を置いて、服装で調整します。

    3. エアコン暖房は風向きを下に、こまめに切らない

    暖かい空気は上にたまるので、風を下向きにして足元を温めます。短時間の外出なら、立ち上げの電力のほうが大きいので、つけたままのほうが安いことが多いです。

    4. 電気ストーブ・ハロゲンヒーターの使い方を見直す

    これらは電気をそのまま熱にするので、同じ暖かさを作る電気がエアコンの数倍かかります。脱衣所など短時間の局所暖房に限り、部屋全体の暖房には使わない。

    5. 給湯の設定を見直す

    エコキュートは「おまかせ(学習)」モードにし、不在時の沸き上げ停止、追いだきより高温足し湯、を使います。夜間に沸かした湯を日中に使い切る量に合わせることが基本です。

!

灯油ストーブ・ファンヒーターを電気暖房に替えると、電気代は確実に上がります。灯油代が減った分と合わせて光熱費全体で見てください。電気代だけを見て「暖房を替えて失敗した」と思い込む人が多いのですが、灯油を含めた合計で比べないと判断を誤ります。

少しお金をかけるなら、何が先ですか?

費用と効果の順で並べます。

対策費用の目安効く理由
窓に内窓(二重窓)を付ける、または複層ガラスに替える1か所数万円〜熱の逃げ道の大きい窓を直すので、暖房の負担そのものが減る。国・自治体の断熱改修の補助金の対象になる年度がある
天井・床下の断熱材を補う数十万円〜古い戸建てで断熱材が薄い・無い場合に効く。工務店に現状を見てもらう
古いエアコンを寒冷地対応の省エネ機に替える十数万円〜外気温が低いときの暖房能力と効率が上がる。ただし省エネだけを理由にした買い替えは回収に時間がかかる
古い電気温水器をエコキュートに替える数十万円同じお湯を作る電気が大きく減る。給湯が電気代の大きな割合を占める家ほど効く

順番は、窓 → 断熱 → 機器 です。家の熱が逃げる状態のまま高い機器を入れても、機器が余計に働くだけになります。

電力会社のプランは、冬にどう効きますか?

  • 3段階料金のプランで3段目の量が多い家は、使用量が多い世帯向けの一律単価のプランで差が出ることがあります
  • 時間帯別プラン(夜間が安い)の家で、昼間に電気暖房を長時間使う生活に変わっていれば、プランと生活が合っていません。日中在宅が増えた家は、昼間の単価を見直す
  • 燃料費調整額に上限の無い自由料金のプランは、燃料高の冬に負担が増えます。規制料金との差を冬の明細で比べる

プランの比べ方と注意点は 電力会社を切り替える前に知っておくこと に書きました。

まとめ:まず何をするか

  • 冬の電気代が高い理由は 暖房・給湯・外気温。戸建ては集合住宅より熱が逃げやすい(環境省の統計で排出量は約1.8倍)
  • 明細で 秋との使用量の差と、3段目の量 を見る。30分データで暖房か給湯かを切り分ける
  • 費用ゼロの順:窓(カーテン・雨戸)→ 室温20℃の目安 → エアコンの風向き → 電気ストーブを局所だけに → 給湯の設定
  • お金をかけるなら 窓 → 断熱 → 機器 の順
  • 灯油から電気に替えた家は、灯油代を含めた合計で判断する

次に読む


出典・確認日(2026年10月18日確認)
#冬の電気代#暖房#戸建て#給湯#断熱

この記事について

書いているのは でんき見直しノート編集部 です。製造・製材の現場で事業所の電気代を見てきた経験をもとに、家庭と小さな事業所の電気代について書いています。 単価・補助金・制度の数字には出典と確認日を付けていますが、その後に変わっている場合があります。契約や設備の判断は、最新の公式情報と専門業者の見積で確認してください。

次に読む

記事一覧へ戻る